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正標数における周期の独立性に関する研究

分野
数論
キーワード
正標数、関数体、周期、代数的独立性、多重ゼータ値、多重ポリログ
工学部 生命環境科学科

助 教 三柴 善範

研究概要

 正標数における関数体上の周期に対して、それらの間の代数的独立性を示すことなどを中心に研究を行っている。

 Eulerは自然数の2乗の逆数和に関する等式

ζ(2) = 1+1/4+1/9+1/16+… = π²/6

や4乗の逆数和に関する等式

ζ(4) = 1+1/16+1/81+1/256+… =π⁴/90

などを発見した。彼はもっと一般に、正の偶数nに対して自然数のn乗の逆数和ζ(n)がπnと有理数の積となることを示している。πやゼータ関数の特殊値ζ(n)はモチーフの周期として得られ、豊かな理論的背景を持っている興味深い対象である。「与えられた周期の間の関係式を全て決定せよ」という基本的な問題が考えられる。上述のように、正の偶数nに対してζ(n)はよく分かっている。しかし、nが正の奇数のときはπとζ(n)は何の関係もないと予想されているが、証明されていない。

 一般に、互いに何も関係がなさそうないくつかの数を与えたときに、それらの間に実際に関係がないことを示すのは難しい問題と考えられている。本研究は、正標数の(関数体上の)世界において、このような非存在性を証明するというものである。通常の標数0の世界では全く示すことができそうにない非存在性を、正標数の世界では示すことができる。

利点・特徴 正標数で考えることで、標数0ではほとんど分かっていないようなタイプの問題を解決することができる。
応用分野 固定した重さを持つCarlitz多重ゼータ値が張る空間の次元を下から評価することなどへの応用

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